そろそろご自宅の外装・内装の塗装をしたいとお考えの方に、今回は塗装をする必要がある部位をご紹介いたします。外装・内装ともに多くの部位があり、それぞれ名称があります。役割もさまざまなため、部位によって塗り替える時期も異なります。大切なご自宅を長く綺麗な状態を保つためにも、最低限の知識を付けて守っていきましょう。
建物のパーツについて
建物のパーツを「外壁」と「屋根」に分けてご紹介します。建物によってはご紹介する、すべてのパーツが付いていないこともあります。塗装箇所のイメージを知っておくことで、見積もりを見る際の参考にもなるので、ご自宅に付いているパーツは名称と位置を覚えておきましょう。
外壁パーツ
以下、9つの外壁パーツをご紹介します。
目地(めじ)
外壁を構成している素材によって、温度や湿度によって膨張したり、年月を経ることによって歪が生じる場合の、変形部分を調整します。
紫外線や雨水で劣化するため外壁塗装の際に補修を行います。目地の補修工事には2種類あり、「打ち替え」と「増し打ち」があります。
-
打ち替え…古いパーツを手作業ですべて剥がし、新しいパーツに詰め替える
-
増し打ち…既存のパーツを残したまま、新しいパーツを詰める
修理が必要な劣化状態
- 手で触ってボロボロしてしまうようなひび割れ
- 収縮して両サイドに隙間ができている
幕板(まくいた)
戸建住宅の外壁で1階と2階の境界に使われることの多い、外壁を仕切る区切りです。
雨水を溜め込みやすく、外壁よりも劣化が早いパーツでもあります。
外壁塗装を行うタイミングでは、すでに損傷が激しく塗装だけではカバーできない状態になっていることもあるので、注意が必要です。
修理が必要な劣化状態
- 壁との境目に隙間ができている
- 塗装が剥げてきてしまっている
- 釘が浮いてきてしまっている
水切り
屋根と壁や壁と基礎のコンクリートの間、窓下に設置されている、金属で作られた仕切り板です。
建物の劣化や雨漏りの原因となる、外壁や基礎に雨水が当たるのを防止します。
また、外壁と基礎の間には隙間があるので、雨水が基礎の内部に浸水するのを防ぐ目的もあります。
水切りが機能していないと、内部に浸水して湿度が上がり、シロアリが発生する原因にもなりかねます。
修理が必要な劣化状態
- 色あせや錆
- へこみ
- 破損
雨戸・戸袋(とぶくろ)
雨戸と戸袋は、主に金属製と木製があり、飛来物や強風から窓ガラスを守るために取り付けます。
耐久性の高いパーツですが、塗膜で覆い部材の劣化を防止してることから、塗装での修繕が必要不可欠になります。
- 木製の雨戸・戸袋…湿気の影響で木材が腐っていき、最終的にはボロボロになる
- 金属製の雨戸・戸袋…塗装メンテナンスをしていないと錆が発生し、見た目が悪くなり、木材と同様に腐食しボロボロになる
修理が必要な劣化状態
- 手で触ると白い粉がつく(チョーキング現象)
- 変色や色あせが発生している
- 錆が広がっている
入隅・出隅(いりずみ・ですみ)
外壁の角で、内側にへこんでいる部分が「入隅」、出っ張っている部分が「出隅」です。
建物の振動や地震などの影響で、ひび割れが発生しやすい場所です。
小さなひび割れであれば漏水などの心配はありませんが、劣化が進み大きなひび割れとなると、建物の内部にまで浸水してしまい建物全体の劣化にも繋がります。
修理が必要な劣化状態
- 2ミリ以上のひび割れがある
笠木(かさぎ)
屋上やベランダの腰壁、屋内で階段の腰壁、対面キッチンの腰壁の上部に取り付けられているものです。
建物の雨水などから躯体を守り、建物の劣化を防止する目的があります。
定期的な点検を行い、塗替えや繋ぎ目の防水修理をする必要があります。
修理が必要な劣化状態
- グラグラしている
- 浮きや隙間が見える
- 外壁材や躯体の腐食
- 雨漏り
矢切り
外壁と屋根の間にあるスペースです。
経年劣化による剥がれが多く、塗装による塗替えが必要になります。
修理が必要な劣化状態
- 下地が腐食している
屋根パーツ
以下、7つの外壁パーツをご紹介します。
棟
屋根の面と面が合わさる境界線のことです。
雨水が入り込まないように隙間を覆う目的があり、屋根の中でも劣化が早く修理する機会が多い場所になります。
修理が必要な劣化状態
- 色あせや錆
- 風で動く音がする
- 瓦がズレている
- 剥がれて中の土が見えている
破風(はふ)・鼻隠し(はなかくし)
破風や鼻隠しは、屋根の先端にあり、雨が建物の中に浸水するのを防いでくれます。
屋根の先端にあるため、太陽光や雨風のなどの影響を受けやすく、劣化しやすいです。
劣化が進行すると、雨漏りのリスクが高まるため、外壁や屋根塗装と一緒に塗装することが多いです。
修理が必要な劣化状態
- 塗装がはがれている
- 木製で腐食している
- 繋ぎ目のズレ
雨押え(あまおさえ)
雨押えは、下の屋根と外壁が接する部分にあり、雨が建物の中に浸水するのを防いでくれます。
また雨水の逃げ道にもなり、排水用の隙間を確保できるため、雨漏りのリスクを抑えることができます。
修理が必要な劣化状態
- 破損
- 浮き
- 繋ぎ目のズレ
庇(ひさし)
庇は、屋根や玄関の上に取り付けられている小さな屋根のことです。
雨や日除けのためにあり、「雨除け庇」とも呼ばれています。
また庇は強風により吹き込んだ雨水が内部に入りやすく、劣化が早い傾向にあります。
修理が必要な劣化状態
- 壁との間に隙間
軒天井(のきてんじょう)
屋根や庇が、外壁より出ている部分の裏側になり、雨や風から建物を守っています。
雨に直接あたることはありませんが、湿気が溜まりやすく劣化すると、シワや穴が空くことがあります。
穴が空いてしまうと、小動物が侵入したり、ハチや鳥の巣ができる原因となってしまいます。
修理が必要な劣化状態
- 水漏れの後が見られる
- 繋ぎ目のズレ
雨樋
屋根に溜まった雨水を流すための、排水のためにあります。
経年劣化や自然災害によって壊れてしまうと、大量の水が滝のように落ちてきたり、雨が壁に直接あたり劣化を早める原因になります。
修理が必要な劣化状態
- 雨樋の破損
- 壁に設置している金具の破損
外壁塗装と一緒に塗装するべき付帯部
各設備ごとに相場費用を表にまとめました。
外壁塗装を行う前に、付帯部の塗装も検討するべきか見極めるための、参考にしてください。
外壁と一緒にすることが多い付帯部
雨樋 | 10,000~50,000円 | ||
---|---|---|---|
軒天 | 10,000~50,000円 | ||
破風・鼻隠し | 10,000~50,000円 |
外壁と一緒にすることもある付帯部
雨戸・戸袋 | 10,000円~50,000円 | ||
---|---|---|---|
シャッター | 10,000円~50,000円 |
まとめ