店舗デザインを業者に依頼する前に準備しておく必須項目
店舗を運営する上で、店舗デザインは印象を植え付け、集客力に大きな影響を与える重要な項目になります。
だからこそ、デザインを決める際はプロの専門業者やデザイナーに相談・依頼をすることが必要になります。
しかし、依頼するにあたって丸投げはNGで、店舗オーナー様は最低限の情報や方向性を決めておく必要があります。
まずは、店舗デザインを業者に依頼する前に準備しておく項目を紹介します。
物件の空間を的確に把握しておく
店舗オーナーであれば、物件が居抜き物件なのか?スケルトン物件なのか?
などの基本情報は当然把握している必要があります。
そのうえで、テナント内のどこに、不必要な窪みがあるのか?出っ張っている箇所があるのか?を把握しておきましょう。
建物の構造上(特に四つ角部分などに)支柱が存在するため、テナント内の凹凸は仕方ない部分でもありますが、デザインの観点からは邪魔な部分になる可能性が極めて高いです。
しかし、経験豊富なデザイナーであれば、事前に情報を共有できていれば、凹凸を上手く利用し、オリジナルなデザインとして作り上げることも出来たりします。
どこにどのようなスペースがあるのかを正確に把握しておくとデザイナーとの打ち合わせ内容が濃いものになり、より良い店舗デザインを作り上げることへと繋がります。
店内の日当たり状況を把握しておく
店内の日当たりがいい場所と悪い場所を把握し、コンセプトが固まっていると、デザイナーはどの色を活用していくのかが、イメージしやすくなります。
そして、色には、収縮色・膨張色などがあるように、人の感覚を変える特徴を持っているので、色の選定は店舗の印象を作る重要な項目です。
しかし、太陽の日の当たり次第で色の見え方は変わることがあるため、日当たりの状況はどうなのか?をデザイナーに理解してもらったうえで、活用する色を決めていくことがおすすめです。
賃料の発生時期を把握しておく
初めて店舗デザインを作るとなった場合、賃料の発生時期などもしっかりと把握しておく必要があります。
店舗開業時は、当然ながら売り上げが立っていないので、最初は赤字からの経営になります。
そして店内の工事にはデザイン内容にもよりますが、平均1カ月、長くて2ヶ月程度かかることがあります。
オープン日から逆算し、いつまでにデザインを固めておく必要があるのかを知るためにも賃料の発生時期は正確に把握しておきましょう。
コンセプトを明確にする
最も重要なのはコンセプトを決めておくことです。
ノープランで店舗デザインを業者に依頼すると、費用も想定以上かかる可能性も高くなりますし、店舗の印象とサービス内容に少しのズレが生じ、最大限の集客が見込めなくなる場合もあります。
コンセプトの基本軸はブラさずに、応用デザインとして、デザイナーに携わってもらうことが一番の正攻法となります。
店舗デザインを依頼するにあたって失敗しないための10の注意点
店舗デザインを依頼するにあたって業界情報として知っておいた方がいい予算についてや、業者の種類・選び方について10個の注意点をご紹介いたします。
注意点1:店舗デザインの相場を理解する
項目 | 一般的な費用相場 |
---|---|
設計費 | 面積から決める場合…坪単価3万円~10万円
総施工費から決める場合…総施工費の10%~15% |
施工費 | 居抜き物件の場合…200万円~400万円 スケルトン物件の場合…1,000万円~2,000万円 |
施工費用は使用する材料やこだわりによって大きく変わることがありますが、設計費用はどの業種に依頼しても大きく変わることはありません。
なので、平均相場を把握した上で、依頼する方法を検討しましょう。
注意点2:予算を高めに設定しておく
店舗デザイン以外でも同様のことが言えますが、基本相場よりも予算は高めに設定しておきましょう。
施工で使用する塗料材木にこだわった結果、デザイン設計時の見積り通りに予算が収まらないことは珍しくありません。
イレギュラーが発生しても金銭面で後手に回らないようにしておくことが重要です。
注意点3:施工を依頼するタイミングを間違わないようにする
まず、店舗オープン日から逆算し、施工はいつまでに開始しなくてはいけないかを明確にします。
そして施工開始時までにはデザイン設計は出来上がっている必要があるため、同様に逆算を行い、施工開始の一か月前くらいにはデザイン設計を作り始めているようにスケジューリングを行いましょう。
注意点4:依頼する業者の選び方は事例と予算を参考にする
店舗デザインを依頼する際に、どのような業者に依頼すればいいのか?基準を決めるのはとても困難で多くの方が悩まれています。
そんな方におすすめする業者の選び方は「事例の数」と「予算」になります。
まず、事例については、自分が描いている店舗デザインの事例がある業者=完成のイメージがついているため、イレギュラーが起こりづらいメリットがあります。
そして予算については、安すぎるのもNGです。注意点1で述べた通り、まずは平均相場通り化を基準にしましょう。
注意点5:複数業者に見積りを依頼し内容を比較する
一社でデザインの発注を決めてしまうのはリスクが高い場合があります。
その理由はアイディアが限定されてしまうことです。工程が決まっている施工とは違い、
デザインは決まりが無く、業者・デザイナーによって多種多様なアイディアが存在します。
実際にデザイン設計を依頼してしまうと費用は発生していまいますが、問い合せし、コンセプトとデザインの簡単なイメージを共有し、
ヒアリング・見積り書を貰う分には基本費用は掛かりません。
様々なアイディアを少しでも多く収集し、一番納得のできる店舗を作り上げるためにも複数人のデザイナーとヒアリングをし、見積りを出してもらうようにしましょう。
注意点6:デザイン設計から施工まで対応できる業者を選ぶ
業者によっては店舗のデザイン設計のみを行っている場合と、設計から施工まで対応を行うと言っている業者も存在します。
店舗デザイン設計のみの業者は、それだけデザイン力に特化している可能性が高いというメリットがありますが、現場のことが分かっていないため、イレギュラー対応が増える可能性があります。
一報デザイン設計から施工まで対応できる業者は、現場のことも想定し、デザイン設計を行うためイレギュラー対応は少なくなる可能性が高いです。
注意点7:担当者のヒアリング力を重要視する
優れたデザイナーは、お客様の要望を良く聞き、的確に理解することに長けています。
印象として、こだわりが強く頑固なデザイナーが多くいるとも思われてしまう時もありますが、
プロは要望を完璧にこなしたうえで、デザインノウハウを上乗せし、唯一無二の空間を作り上げます。
打ち合わせの際にデザイナーのコミュニケーション能力やヒアリング力がどうかを意識しておくのもポイントです。
注意点8:第三者のクチコミ意見は参考程度に把握しておく
事例が豊富で、お客様の満足度が高い業種は基本ミスが少なく、ハイクオリティのデザインを提案してくれる確率が高いです。
依頼者と同じような背景がある施工事例やクチコミがある業者を基準に依頼を決めるのも重要です。
注意点9:補助金や助成金の活用ができるか
時期やタイミングによって補助金や助成金の発生は変わります。
注意点10:割引特典があるか相談する
店舗デザインを依頼してから施工するまでの流れ
店舗デザインの依頼方法とは?
まず一つ目は、デザインと設計業務のみ請け負う会社です。デザイン事務所には、高いデザイン力を持ったデザイナーが在籍しており、デザイナーがオーナーの意向を元に図面を起こします。ここでは、施工は行わず、別の施工業者が改装工事を行う形になります。設計会社と施工会社が別々という訳です。なので、図面完成後に施工業者選定や見積もりを行うことになり、設計から施工まで一貫して請け負う会社より、店舗完成までに時間がかかります。デザイン専門設計事務所は、デザイン性に富んだ図面が作成できる一方、改装工事費用は高く、時間もかかります。
次に2つ目は、設計と施工を行う内装会社です。設計から施工まで一貫して請け負う会社になります。デザインのみとは違い、施工まで一貫して行うので、設計から着工までスムーズに進んでいきます。改装工事期間も短く、1つの会社で全てを行うため、予算や仕様の変更なども柔軟対応できることが挙げられます。デザイン専門事務所と比べると、デザイン力は劣る可能性はありますが、一貫作業を依頼できるので手間が少なく済みます。最後3つ目は、施工のみの業者です。専門デザイナーなど在籍しておらず、主に、施工メインの請け負い会社になります。設計もできますが、施工メインなのでデザイン力は劣る部分もありますが、直接、職人さんの元にお願いをするので、施工費用は安く抑えることが可能です。依頼費用が抑えられ、また、場での融通が利きやすい点はメリットです。
デザイン依頼する際の流れ
デザイン事務所に依頼をした際に、最初に行うことはデザイナーとの打ち合わせです。
店舗コンセプトをデザイナーに伝えるので、事前にイメージに近い店舗写真などを集め、上手く伝えられるように準備しておくことが大事です。
イメージと違えば、要望を伝え直して修正してもらう形になります。
イメージ通りであれば、デザイン設計の詳細決定作業に入ります。
店舗の具体的なデザインを設計図に仕上げます。
そして、次に施工会社の選定を行います。
一般的には、デザイン会社から候補を紹介してもらうパターンですが、別の方法で探してもOKです。施工会社を選んだら、依頼を済ませて着工に入ります。竣工を迎えて、電気や水道などが問題なく使えることを確認したら、引き渡しを済ませて完了です。