時期やタイミングを考慮する
まずは、メンテナンスが必要な時期やタイミングについてご紹介します。
建物に関係する設備や資材には、それぞれの部位で寿命があります。故障を発見してからの交換や改修では、生活に不便が生じたり、建物に負担をかけてしまい、相場よりも余分に費用がかかる場合もあります。
それぞれの部位ごとで、メンテナンスが必要になる時期を把握して、効率的にリフォームを行いましょう。
築5～10年
【比較的早いメンテナンスの時期】
壁や天井のクロスの貼り替え、フローリングの補修が主に目立ちます。
他にも小型給湯器や、浴室のドアなど、ちょっとした汚れや破損が気になり始めます。
交換や改修するまででもないと思われがちですが、早期にメンテナンスを行うことが、建物の寿命を伸ばすことに繋がります。
築10～15年
【水まわりの交換の多い時期】
キッチン・トイレ・浴室・洗面所などの水まわりは、使用頻度が高く、湿気が多い場所でもあるため、劣化が早く不具合が見え始めます。
メーカによっては、20年近く使用できる場合もありますが、水漏れなどの不具合がないか、定期的に確認を行うことが重要です。
また、畳の貼り替えや木材を使用した壁の補修なども、この時期に検討しておくことと良いでしょう。
築15～20年
【初めての大規模修繕に多い時期】
給排水管や建物の土台など、目に見えない部分の劣化が進んできます。木造住宅の場合は、シロアリなどにも注意が必要です。
また、室内のフローリングも全面的な補修が必要になる時期です。
適切な時期に大規模修繕を行い、建物の寿命を伸ばせるようにしましょう。
築20年以上
【住宅の寿命で増改築を検討する時期】
建物の多くの部分が全体的な修繕を必要とするタイミングになります。
住宅の耐用年数は、建物の構造によって異なりますが、一般的に30年前後です。
また、生活の変化に合わせて間取りなどの変更を検討することもおすすめです。
20年を経過する時期は大規模なリフォームを行うために、あらかじめ準備しておきましょう。
注意点
部分的なリフォームを避ける
建物の一部を改修するリフォーム
建物全体のリフォームとは工事の規模が異なります。
一部分だけ家の改修を行いたい方には部分リフォームがおすすめです。
費用が割高になる可能性が高い
フルリフォームに対して、費用が結果的に割高の場合が多いです。
人件費が作業時間に関わらず、作業した人数によって決まっていることが多いため、工事の時間が短くても同じ費用がかかってしまいます。
また、材料費も箱や決まった長さで購入する場合が多く、ロスがでてしまうことがあります。
全体的な景観が崩れてしまう
建物の一部分だけをリフォームするので、統一感が損なわれてしまう場合があります。
全体を見渡したときに違和感を感じてしまう場合もございますので、定期的にメンテナンスすることをおすすめします。
事前に依頼する業者さんと相談し、一緒にやっておいた方が良い場所など確認しておきましょう。
事前サンプルをもとにきちんと話し合う
サンプルで確認するのがベスト
どの業者、どの場所のリフォームでもカタログが用意されています。
素材によって、費用が変動することが多いので、自分の予算にあった素材選びが重要になります。
しっかりとカタログを確認し、サンプルを送ってもらえる場合は必ず送ってもらいましょう。
無駄な時間・費用をかけない
特にクロスやフローリングなどは、写真だけでなく実物を見て触ることで、イメージと異なる完成を未然に防ぐことができます。
修正のタイミングによっては、時間も費用も無駄にかかってしまうので、注意しましょう。
手入れして長持ちさせる
壁やフローリングなど経年劣化するものが多く、最低限必要になる手入れの説明も確認しておくことをおすすめします。
建物の耐久性を確認する
建物に適したリフォームを行う
建物の耐久性がきちんとしていないと、建物全体に大きな負荷がかかり、倒壊してしまう可能性があります。
そうならないためにも、事前に専門家へ調査を依頼し、建物に適した無理のないリフォームを検討しましょう。
事前調査がスムーズリフォームに繋がる
しっかり調査しないと途中で工事が停止したりと、後々高額な工事になりかねません。
建物の構造をしっかりと把握している詳しい業者に調査を依頼することがスムーズなリフォームへの第一歩です。
部分別リフォームする時期とタイミング
定期的なメンテナンスが必要となる場所のご紹介をします。
場所ごとにリフォームの時期やタイミングが異なるので、下の表で詳しく見ていきましょう。
| 場所 | リフォーム時期・タイミング | ||
|---|---|---|---|
| 床・クロスなどの内装 |
フローリングの貼り替え：10～15年 畳の貼り替え：約5年毎ごとに裏返し/表替え/張り替え 壁紙の張り替え：10年 |
||
| 水・ガスまわり（キッチン・トイレ・浴室・洗面所） | 10～20年（本体の交換も要検討） | ||
| 窓まわり・建具 | 20～30年 | ||
| 外壁まわり | 10～20年 | ||
| 屋根まわり |
塗装：10年 葺き替え：20年 |
||
種類と費用
以下、相場の費用を施工場所と工事内容で分けてご紹介します。
クロス
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 量産品クロス | 約650～1,200円/㎡ | ||
| 1000番台クロス | 約1,000～1,700円/㎡ | ||
| 部屋の広さ | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 4.5畳 | 3～5.6万円 | ||
| 6畳 | 4～6.5万円 | ||
| 8畳 | 4.6～7.5万円 | ||
| 10畳 | 5.2～8.4万円 | ||
| 12畳 | 5.7～9.1万円 | ||
| 15畳 | 6.4～10.2万円 | ||
| 20畳 | 7.4～11.9万円 | ||
| トイレ | 1.6～2.3万円 | ||
| 洗面・脱衣所 | 3.1～3.6万円 | ||
フローリング
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 集約材フローリング | 約55,000～100,000円/6畳 | ||
| 無垢材フローリング | 約120,000～250,000円/6畳 | ||
間取りの変更
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| アコーディオンカーテン | 約5,000～60,000円 | ||
| パネルドア | 約10,000～400,000円 | ||
| 壁の設置 | 約80,000～230,000円 | ||
キッチン
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 壁付け式から対面式 | 約550,000～2,000,000円 | ||
| システムキッチン全体の交換 | 約500,000～1,000,000円 | ||
| キッチン移動も含む | 約1,000,000～2,000,000円 | ||
浴室
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 在来浴室からユニットバスに交換 | 約650,000～1,500,000円 | ||
| ユニットバス同士の交換 | 約500,000～1,500,000円 | ||
| 在来浴室同士の交換 | 約500,000～2,000,000円 | ||
| 浴室の移動も含む | 約750,000～2,000,000円 | ||
トイレ
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 洋式トイレ同士の交換 | 約150,000～500,000円 | ||
| 和式から洋式へ交換 | 約150,000～600,000円 | ||
| トイレの移動も含む | 約200,000～600,000円 | ||
洗面台
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 洗面台のみ交換 | 約100,000～150,000円 | ||
| 洗面所全体の交換 | 約200,000～500,000円 | ||
| 洗面所や洗面台の移動も含む | 約200,000～500,000円 | ||
内装のアップグレード
防音の壁
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 遮音シートを貼る | 約150,000～200,000円 | ||
| 内窓の追加 | 約50,000～80,000円 | ||
床暖房
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 電気式 | 約250,000～350,000円 | ||
| 温水式 | 約350,000～450,000円 | ||
和室から洋室
| 工事内容 | 相場費用 | ||
|---|---|---|---|
| 収納を確保した場合 | 約700,000～1,000,000円 | ||
プロに依頼するかDIYか？
プロに依頼するべき内装リフォーム
構造に関する部分
部屋の間取りを変更するような、やり直しが難しい工事といわれる、大掛かりな施工や下地材による補修が必要な施工については、業者に依頼する方がよいでしょう。
水回り
水回り設備は買ったものをただ置くだけではなく、排水管の工事が必要となるのでDIYは難易度が高い部分です。
資格は必要ないですが、水回りの設備は手順を少しでも間違えて繋いだり、不備があれば水漏れの原因となってしまいます。
塗装
DIYでの塗装は価格を抑えられたり、自分の好きなタイミングできるのはメリットですが、やはりプロとの差は出てしまいます。
特に、広い面積を塗装する場合ですと、色のムラが出たり、塗装が垂れてしまったりと仕上がりが悪くなる可能性があります。
DIYでも出来るリフォーム
壁紙の張り替え
壁紙はホームセンターなどで販売されており、簡単に剥がせるタイプの壁紙も購入できます。
壁紙を張り替えるだけでも、部屋全体の雰囲気を変えられます。
床にクッションフロアを敷く
フローリングや畳の張り替えは専門的な知識が必要ですが、クッションフロアを敷くなどのアレンジはDIYがおすすめです。
好きなデザインのクッションフロアを敷いて、居心地のよい空間を構築しましょう。
まとめ
どんなに些細なことでも、リフォームを行う際には気になることがあれば、プロに相談してみましょう。
相談した結果、プロに任せるべきこと自分でできることを見極めて、見積り依頼を複数の業者にすることをおすすめします。
また、業者を選ぶ際には、あなたに寄り添ってくれる業者を選ぶことで、予算内でイメージ通りの仕上がりになります。
多くの業者がいるからこそ、慎重に検討しあなたに合った業者選びでリフォームをご依頼ください
